HPLCカラムを長く使うためのポイントは?
最近のカラムは安定性が改善されていますが、基材や結合相の特性により使用上の制限事項があります。カラム使用時の圧力はカラムのマニュアルに記載されている圧力範囲でご使用ください。特にポリマー充填剤はシリカゲルよりも機械強度が低いため、適正圧力範囲内で使用ください。
またポリマー充填剤は溶媒との親和性の良否により、基材自体が膨潤・収縮し、カラムが壊れることがあります。カラムメーカーが提供する使用法を守ってご使用ください。

【Q&Aの詳細ページ】
https://www.chemcoplus.co.jp/maintenance/hplcapp_qa1/
カラムが壊れるメカニズムについて教えて下さい。
主に化学的な劣化と物理的な劣化に大別され、以下の様な要因があります。
く化学的な劣化>
1. 結合相の脱難
2. 基材シリカゲルの溶解
3. 汚れの不可逆吸着
4. 不溶成分の析出(タンパク試料の変性吸着や塩の析出)
5. 保管中力ラム内でのバクテリア繁殖
6. 水100%移動相使用後の保持減少(Dewetting)

く物理的な劣化>
7. 充填構造の破壊(ヴォイド、チャネリングの発生)原因:カラムへの衝撃、乾燥、目詰りによるカラム圧の急上昇
8. カラムハードウェアの漏れ、破損等

特に項目1について、C18等シリカゲルにアルキル基を結合させた充填剤は酸性条件で結合相が徐々に説離し、最終的にカラムの保持能が減少しま
す。また基材のシリカゲルはアルカリ性条件で加水分解により溶解し、ヴォイド発生の要因となります。過酷な移動相条件での安定性を改善した
カラム以外は、一般的なシリカゲル基材の逆相カラムの使用範囲はpH2~pH8となっています。

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C18カラムで水100%の移動相を使用するには?
C18カラムに水100%移動相を流した後に保持時間が減少したり、変動する現象は多くの論文に報告されています。
以前はC18アルキル基が水100%の移動相中で取縮するために(アルキル基の寝込み現象)保持が減少すると理解されていました。
最近では水100%移動相の通液後にポンプを停止すると、カラム内充填剤の細孔内に存在する水が脱離し、再度加圧しても水100%の移動相は細孔内部まで浸透できないことが保持減少の要因と言われています。
C18カラムの固定相は疎水性(親油性)のアルキル基がシリカゲルに結合した「擬似液相」であるため、充填剤の細孔内部は疎水性の高い環境にあり、この様な現象が発生すると考えられています。

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化学的安定性の高いカラムについて教えて下さい。
カラムの安定性を改善するには、充填剤基剤、固定相の化学的安定性、充填技術、カラムハードウェアの総合的な改良が必要です。

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カラムの洗浄法について教えて下さい。
カラム洗浄の基本は、そのカラムがどの様な使用履歴(移動相・注入試料)を持つか、その使用条件で発生する汚れの種類と除去方法について考慮
する必要があります。すなわち、汚れの成分を知ること、洗浄に適した溶媒を探すことが重要です。

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タンパクなど生体試料の汚れを除くには?
高分子量のタンパク分子はカラム内で変性し、吸着するものもあります。低分子系の汚れとは異なり、タンパク試料の汚れは複数の相互作用によって充填剤表面に吸着しているため、有機溶媒100%は適した洗浄溶媒ではありません。多くの生体試料の汚れは有機溶媒/緩衝溶液や酸、イオンペア剤等の混合溶媒で洗浄する方が適しています。また、カラムの選択性が変化するため、界面活性剤(SDS)の使用は避けてください。

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カラムの保管方法について教えて下さい。
通常の使用では下記の手願で保管ください。

1. 使用した移動相から緩衝溶液の塩を除いた溶媒で洗浄
2. 有機溶媒濃度を上げた移動相、もしくは溶出力の強い溶媒で洗浄
3. 保存落液(カラム出荷時の移動相)で洗浄
4. カラム両端に密栓をして保管

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カラムの詰替え(再充填)はできますか?
可能です。弊社では使用後のカラムをご返送頂けれは、値引き価格適用で結め替えサービスを行っています。カラムサイズにより値引き金額は異なりますので、詳細はお問い合わせください。
一般的な使用で劣化したHPLCカラムは、カラム内壁やエンドジョイント接合部分が損傷していない場合が多く、古い充填剤を抜き取って詰め替えが可能です。再生後のカラムは新品カラムと同様の品質管理と検査基準をクリアしたものが出荷されます。カラムの詰め替えは環境的な資源節減や分析のコストダウンの観点からも有用ですのでぜひご検討ください。
※カラムの再生回数は詰め替えるカラムやエンドジョイント・フィルター等の状態にもよりますが、数回程度です。

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HPLCカラムは自分で作れますか?
可能です。弊社では全自動スラリー充填機を販売しています。専用プログラマーにより、充填操作は容易で、再現性の高いカラム作成がラボ内で実施できます。弊社のノウハウによる専用スラリー溶媒もご利用いただけます。

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カラムの逆洗浄は可能ですか?
カラムの銘柄によってはできないものがあります。適正に充填されたカラムは逆方向から送液しても問題ありませんが、多くのカラムメーカーは送液方向を指定しています。2ミクロン以下の充填剤を高圧充填したカラムはメーカーによっては入口側のフィルター(フリット)径と出口側のフィルター径が異なるものがあります。入口側のフリットが大きいカラムの場合、逆方向から送液すると充填剤が漏出するものもあります。詳細はカラムマニュアルをご参照ください。弊社カラムの場合、カラム洗浄のための一時的な送液であれば、逆方向の送液は可能です。ただし、カラム圧が上昇して逆洗浄を行う場合、フリットを交換する方が有効な場合もあります。

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HPLCカラムメンテナンスQ&Aの詳細ページ

HPLCカラムメンテナンス Q&A1
HPLCカラムメンテナンス Q&A2
HPLCカラムメンテナンス Q&A3
HPLCカラムメンテナンス Q&A4