よくあるご質問

Q1:HPLCカラムを長く使うためのポイントは?

カラムメーカーが提供する使用法を守ってご使用ください。一般的なHPLCカラムの取扱注意点は、以下のことが挙げられます。
1.通液可能な溶媒、pH範囲を守る。
2.カラム内で緩衝溶液の塩が析出しないように注意する。
3.カラム内に個体、不溶成分を入れない。 (試料、移動相のろ過)
4.カラムを乾燥させない。
5.できるだけ低い負荷圧で使用し、急激な圧力変動、物理的衝撃を避ける。
6.注入試料はろ過する、異物や不溶物をカラムに入れない。
7.できるだけ前処理等を行い、試料をクリーンアップする。
8.ガードカラム、ガードフィルターを用いる。

Q2:カラムが壊れる原因について教えて下さい。

主に化学的要因(1 – 5項)と物理的要因(7, 8項)に大別され、以下の様な要因があります。
1.酸性条件での充てん剤結合相の脱離
2.アルカリ条件での基材シリカゲルの溶解
3.汚れの不可逆的な吸着
4.不溶成分の析出
5.保管中カラム内でバクテリアの繁殖
7.落下等の衝撃でボイド、チャネリングの発生
8.カラムハードウェアの漏れ、破損

Q3:C18カラムで水100%の移動相を使用するには?

C18カラムに水100%移動相を流すと、保持が変動したり、減少したりすることがあります。
改善方法を以下に示します。

1.5%以上有機溶媒を混合し、水100%の移動相をなるべく使用しない。
2.使用前に50%程度の有機溶媒で洗浄する。
3.水100%で使用可能なカラムを用いる。

例)・ワイドポア充てん剤やアルキル基密度の低い(低反応率)C18カラム
ポーラーエンドキャップカラム
ポーラーエンベッドカラム

Q4:化学的安定性の高いカラムについて教えて下さい。

カラムの安定性は充てん剤基材、固定相の化学的安定性、充てん技術、カラムハードウエアの総合的な性能に依存します。充てん剤の改良によって化学的安定性を改善させる方法を以下に示します。

1.結合相の脱離を防ぐ
・ かさ高い置換基を持つシリル化剤の使用やエンドキャップ方法を改善する。
・ シリカゲルとの結合部位を増やす。(polymeric, bi-dentate等)
・ ポリマーコート充てん剤、静電シールド型固定相を用いる。

2.シリカゲルの溶解を防ぐ
・ 高純度シリカ+高密度リガンド+高度エンドキャップ処理をする。
例) Nucleodur, Kromasil等
・ アルキル鎖長を長くする。
・ シリカゲルの流路特性を改善する。(貫通孔の多い充てん剤基材を用いる)

3.基材の化学的安定性を改善する
・ ポリマー充てん剤、グラファイトカーボン、ジルコニア、チタニア等を用いる。
・ 有機-無機ハイブリッド充てん剤を用いる。

弊社では、分析目的によって安定性を改善した多くのカラムをご紹介可能ですので、お問い合わせください。

Q5:カラムの洗浄法について教えて下さい。

カラム洗浄の基本は、そのカラムがどの様な使用履歴(移動相・注入試料)を持つか、その使用条件で発生する汚れの種類と除去方法について考慮する必要があります。
カラム洗浄の際、以下のことに注意する必要があります。

1.溶出力の“大きい”溶媒でカラム内残留成分を洗浄する。
  例)逆相カラムの場合 : 90 – 100% アセトニトリル or メタノール
    イオン交換カラムの場合 :塩濃度の高い溶液
2.緩衝溶液を使用する場合、洗浄時の塩の析出に注意する。
3.カラムの汚れの種類を考慮して洗浄溶媒を選択する。
4.水100%はなるべく使用しない。(5%以上の有機溶媒を混合する)
5.検出器に汚れを入れない。

Q6:タンパクなど生体試料の汚れを除くには?

低分子系の汚れとは異なり、タンパク試料の汚れは複数の相互作用によって充てん剤表面に吸着しているため、有機溶媒100%は適した洗浄溶媒ではありません。多くの生体試料の汚れは有機溶媒 / 緩衝溶液や酸、イオンペア剤等の混合溶媒で洗浄する方が適しています。また、カラムの選択性が変化するため、界面活性剤(SDS)の使用は避ける方が好ましいです。( R.L. Cunico, K.M. Gooding and T. Wehr, “Basic HPLC and CE of Biomolecules,” Bay Bioanalytical Laboratory (Richmond, California, 1998), p. 254. )

洗浄例)
・ 0.1% Trifluoroacetic acid–propanol 複数回のグラジェント洗浄
・ 100 uLのterifluoroethanol を数回注入

Q7:カラムの保管方法について教えて下さい。

通常の使用では下記の手順で洗浄後保管してください。
1.緩衝液を用いた場合、緩衝溶液の塩を除いた溶媒で洗浄する。
2.有機溶媒濃度を上げた移動相、もしくは溶出力の強い溶媒で洗浄する。
3.保存溶液(カラム出荷時の移動相)で洗浄する。
4.カラム両端に密栓をして保管する。

<封入溶媒について>
・短期保管:塩を含まない移動相でも可(有機溶媒50%以上を推奨)
・長期保管:カラムの出荷時の溶媒

<保管状態について>
・カラムエンドを密栓して乾燥を防ぐ。
・衝撃や急激な温度変化の無い場所で保管する。
・封入溶媒、使用状況などを記録して共に保管する。

※保管中にカラムを乾燥させてしまった場合。→多くの場合は問題なく使用できます。カラム内の気泡を除くため、カラムの下から上方向に送液して気泡を除いてください。

Q8:カラムの詰替え(再充填)はできますか?

可能です。弊社では使用後のカラムをご返送頂ければ、値引き価格で詰め替えサービスを行っています。カラムの詰替えは環境的な資源節減や分析のコストダウンの観点からも有用ですのでぜひご検討ください。

※一般的な使用で劣化したHPLCカラムは、カラム内壁やエンドジョイント接合部分が損傷していない場合が多く、古い充てん剤を抜き取って詰め替えが可能です。再生後のカラムは新品カラムと同様の品質管理と検査基準をクリアしたものが出荷されます。

※カラムの再生回数は詰め替えるカラムやエンドジョイント・フィルター等の状態にもよりますが、数回程度です。

Q9:HPLCカラムは自分で作れますか?

可能です。弊社では全自動スラリー充てん機を販売しています。専用プログラマーにより、充てん操作は容易で、再現性の高いカラム作成がラボ内で実施できます。弊社のノウハウによる専用スラリー溶媒もご利用いただけます。

Q10:カラムの逆洗浄は可能ですか?

カラムの銘柄によってはできないものがあります。適正に充填されたカラムは逆方向から送液しても問題ありませんが、多くのカラムメーカーは送液方向を指定しています。
2ミクロン以下の充てん剤を充填したカラムはメーカーによって、入り口側のフィルター(フリット)径と出口側のフィルター径が異なるものがあります。入り口側のフリットが大きいカラムの場合、逆方向から送液すると、充てん剤が漏出するものもあります。詳細はカラムマニュアルをご参照ください。

※弊社カラムの場合、カラム洗浄のための一時的な送液であれば、逆方向の送液は可能です。ただし、目詰りしたフリットを逆洗浄するよりも、フリットを交換する方が有効な場合もあります。

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