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分取精製サービス
ケムコプラス・クロマト受託精製サービス
弊社ではHPLC分離剤の開発で培ったノウハウや依頼分析サービスの経験を利用して、ラボスケールのクロマト精製サービスを承っております。天然物、生体試料からポリマー、薬物、有機化合物まで幅広い分野で高品質・高精度な分取サービスを提供します。
1. Introduction
受託精製サービスご利用のメリット
医薬品開発における有機合成や、天然物化学における未知物質の探求等、研究開発にはクロマトグラフィーによる単離・精製作業は重要な課題の1つです。しかし分析スケールの分離とは異なり、分取精製には特有の技術やノウハウも必要であり、専用装置や溶媒コスト等も含めると、クロマト技術の経験豊富なスタッフによる受託精製サービスを利用すれば効率の良い迅速な研究開発が可能になります。
分取精製に際してユーザーが直面する問題
- 精製メソッド開発の負担が大きい。
- 専用カラムや装置、設備コストの負担がある。
- 分取作業に必要な時間や人員コストを捻出できない。
- 分離科学に精通した人員が社内にいない。等
受託精製サービス業務の流れ
お客様のご予算や各種ご要望に基づき柔軟に対応いたします。必要により秘密保持契約を締結し、精密分離が必要な小スケール(~mg)から試薬スケール(~数百g)の分取に対応いたします。
(1)精製ご依頼
- 担当者による打合せ
- 必要により秘密保持契約の締結
- 分取対象試料の物性、目標純度、分取後の試料提出方法の確認
- ご予算、各種ご要望等、作業内容の確認、ご相談等
(2)予備検討
お客様ご提供のクロマト条件の追試、精製効率(カラム負荷量)の確認を行い、分取条件の最適化を行います。受託可能なテーマであれば、スケールアップ評価分析(無料)を行い、作業内容を確認します。
※HPLC分離条件をご提供いただけない場合は、弊社で別途分離検討とスケールアップ評価を行います。(分離検討費用は内容により有償となる場合もあります。)
(3)予備検討結果の報告
分取成分と、分取クロマト条件(カラム、移動相、検出条件等)の確認。必要により予備分取を行い、純度の確認も行います。
(4)見積書提出
御見積書を提出します。
(5)作業開始
必要により試料の濃縮を行い、最終純度の確認を行います。
(6)納品
ご要望に応じた納品形態(試料の個別包装等)で納品します。
(7)報告書の提出
報告書を提出します。
2. 保有機器と対応可能な精製スケール
(1)HPLC充填剤
弊社自社ブランドの下記充填剤が選択可能です。分離目的により、ご指定の固定相や、専用充填剤のカスタム合成もいたします。
- 中圧クロマト用充填剤LC-SORB
(SiOH, ODS, C4, C8, Diphenyl, NH2, Diol等) - HPLC用充填剤Chemcosorb, Chemcobond
(SiOH, CN, ODS, C4, C8, Diphenyl, NH2, Diol, イオン交換等)
(2)保有カラム及び分取精製HPLCシステム
【保有カラム】
- 内径10 – 20 mm: HPLCによる精密分取用。
- 内径25, 50 mmスプリングカラム: 軸圧縮機構内蔵の高性能カラム。
- 内径150 mmフランジカラム: 大量分取用。
【システム】
- JUSCO EXTREMA分取精製HPLCシステム
(最大流量20mL/minグラジェント対応・オートサンプラー・フラクションコレクター・PDA検出器) - SHIMADZU分取クロマトグラフ
(最大流量300 mL/min isocratic, 150mL/min gradientポンプ、分取用UV検出器)
(3)濃縮装置
- BUTCHI, R-300エバポレーター
3. 受託分取関連のサービス
(1)メソッド開発、分離検討サービス
- 分取に必要なHPLC分析条件を弊社で設定します。分離困難な試料や検討時間が取れない場合にご利用ください。下図は分析スケールでスケールアップ検討を行い、内径20mmのカラムで1回の注入あたり30mgの試料精製を実現した事例です。将来的なスケールアップを考慮した分析条件を事前に設定することも可能です。
【スケールアップ検討の例】
(2)分取カラム同時購入・精製サービス
- 分取に必要なカラムを優待価格で購入いただき、受託精製終了後、分取カラムと精製試料を納品いたします。サービス利用後も分取カラムはお客様のお手元に残ります。
4. 分取精製事例
下記は粗オイル中の天然物成分を内径20mmカラムで分取した例です。ユーザー提示の分取方法はリサイクル分取システムを用いて粗試料20gから各成分を約90mg分取するものでしたが、HPLC条件の最適化を行うことで、4gの粗試料から各成分300mgの単離精製が可能となりました。分取対象物の特性に基づき分離条件の最適化を行えば、分取効率の改善も可能です。分離分取条件についてのご相談もお申し付けください。